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中小企業の事業継続力強化計画(ジギョケイ)認定ガイド2026|補助金加点・低利融資・税制優遇を一気に獲得する申請手順

「大雨で取引先が被災し、部品が入らなくなった」「停電でサーバーが落ちて1週間仕事が止まった」——中小企業が直面するこうしたリスクに備えるのが「事業継続力強化計画(ジギョケイ)」です。

この計画、実は申請費用は無料で、認定を取得するだけでものづくり補助金の審査が有利になり、日本政策金融公庫の低利融資も使えるようになります。補助金の採択率を上げながら、自然災害リスクへの備えも同時に整えられる、費用対効果の高い制度です。

この記事では、従業員10~100名規模の中小企業の経営者・総務担当向けに、ジギョケイの申請手順から認定後の活用法まで具体的に解説します。

目次

事業継続力強化計画(ジギョケイ)とは?

事業継続力強化計画(通称「ジギョケイ」)は、中小企業庁が2019年に創設した制度です。自然災害・停電・感染症などのリスクに対して「どう備え、どう早期復旧するか」を計画書にまとめ、経済産業大臣の認定を受ける仕組みです。

「BCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。ジギョケイはBCPの中小企業版の入口に位置します。大企業向けBCPは策定に数十万~数百万円かかることもありますが、ジギョケイは公式テンプレートに沿って記入するだけで、専門家を使わずに自社で作成できます。

項目 ジギョケイ(中小企業向け) 一般的なBCP(大企業向け)
策定コスト 無料(自社作成) 数十万~数百万円(コンサル委託)
ページ数の目安 5~8ページ程度 50ページ以上
申請先 管轄の経済産業局 —(認定制度なし)
有効期間 5年間(更新可能)

執筆時点(2026年6月)の情報に基づきます。制度の詳細は中小企業庁公式サイトでご確認ください。

認定を取得すると得られる3つのメリット

1. ものづくり補助金・持続化補助金の審査で加点

ジギョケイの認定書を持っていると、ものづくり補助金小規模事業者持続化補助金の審査で加点されます。採択率が5割前後で推移するなかで、加点1点が採否を分けることも珍しくありません。補助金申請と並行してジギョケイを取得しておくと、追加費用ゼロで採択率を底上げできます。

2. 日本政策金融公庫の低利融資「BCP融資」

認定後は、日本政策金融公庫の「事業継続力強化計画融資(BCP融資)」を利用できます。防災・減災を目的とした設備投資の融資金利が基準利率より優遇されます(執筆時点で基準利率比概ね引き下げ)。借入1,000万円・5年返済の場合、金利優遇だけで数万円単位のコスト削減になります。詳しい条件は最寄りの政策金融公庫窓口にご確認ください。

3. 防災・減災設備への特別償却(税制優遇)

認定後に取得した防災・減災設備(自家発電機・防水シャッター・サーバー用UPS(無停電電源装置)など)は、取得費用の20%を特別償却できます。例えば100万円の自家発電機を購入した場合、通常の減価償却に加えて20万円を初年度に追加費用計上でき、税負担を前倒しで軽減できます。実効税率30%の場合、節税効果は約6万円の計算です。

申請の具体的な手順(4ステップ)

1. 計画書テンプレートをダウンロードする

中小企業庁の公式サイト(中小企業庁ウェブサイトまたはJ-Net21)から「事業継続力強化計画策定の手引き」と計画書テンプレート(Wordファイル)をダウンロードします。業種別の記載例も公開されており、自社に近い業種のサンプルを参考にすると記入がスムーズです。

2. 3つのリスクシナリオと対策を記入する

計画書の核心部分は「どのリスクに対して、何をするか」の記載です。以下の3点を自社の状況に合わせて書きます。

リスクの想定: 地震・台風・大雨浸水・停電・感染症流行の中から、自社の立地・業態に応じて選択
初動対応: 発災から24時間以内に何をするか(安否確認ルール、避難場所、緊急連絡先リスト)
復旧手順: 重要業務の優先順位・代替手段・目標復旧時間(例: 受注システムは72時間以内に再稼働)

記入量は多く見えますが、実際にはA4換算で5~8ページ程度。完璧なBCPを書かなければならない、と身構える必要はありません。現状でできる対策を正直に書くことが、審査でも評価されます。

3. 管轄の経済産業局へ申請する

本社所在地を管轄する経済産業局に計画書を提出します(郵送・持参・一部の局では電子申請も可)。必要書類は申請書と計画書のみで、登記事項証明書などの添付書類は基本的に不要です。

管轄局は全国8か所(関東・近畿・中部・東北・中国・四国・九州・北海道)。自社の本社所在地が複数の局のどちらに属するか、経済産業省ウェブサイトの地図で確認できます。

4. 認定通知書を受け取る(目安30~60日)

申請後、内容に問題がなければ30~60日程度で認定通知書が届きます。不備がある場合は補正の連絡が来ます。認定通知書に記載された認定番号は補助金申請時に記入するため、紛失しないよう保管してください。有効期間は5年間で、更新(変更申請)も可能です。

【コスト】かかる費用と活用できる支援制度

内容 費用の目安 備考
計画書の自社作成 無料(所要時間: 10~20時間) テンプレートに記入するだけ
認定支援機関への相談 無料(商工会・商工会議所経由) 金融機関・税理士も対応
申請費用 切手代のみ(数百円) 電子申請可の局は送料不要
認定後の低利融資 政策金融公庫 BCP融資 基準利率より優遇(条件は要確認)
防災設備の特別償却 取得費用の20%を初年度に追加償却 自家発電機・UPS等が対象

※費用・融資条件は執筆時点(2026年6月)の情報です。最新情報は中小企業庁・日本政策金融公庫にお問い合わせください。

よくある失敗と回避策

失敗1: 「完璧なBCPを書かなければ」と考えて手が止まる

ジギョケイの審査は「完璧な計画か」ではなく「合理的なリスク想定と対策があるか」を見ます。現状できる対策を正直に書けば十分です。「現時点では未整備だが、認定後にUPSを導入予定」のように、前向きな改善計画を盛り込む形でも問題ありません。商工会議所の無料窓口相談を使って草案を見てもらうと、修正箇所が明確になります。

失敗2: 補助金申請の直前に取得しようとする

認定まで30~60日かかるため、ものづくり補助金の公募締切ギリギリに申請しても間に合わないケースがあります。補助金の公募スケジュールを半年先まで確認し、申請の3か月前にはジギョケイ申請を済ませるのが鉄則です。

失敗3: 計画書を作って終わりにする

認定を取ったことに満足して、誰も計画書を読まないケースがあります。年1回・防災の日(9月1日)前後に計画を見直し、緊急連絡先の更新や対策の実効性確認を行いましょう。見直した記録を書類に残しておくと、次回の補助金申請でも取り組み姿勢をアピールできます。

本記事のまとめ

事業継続力強化計画(ジギョケイ)は、申請費用が実質無料で取得でき、次の3つのリターンが得られる制度です。

ものづくり補助金・持続化補助金の加点: 採択率向上に直結
日本政策金融公庫の低利融資: 防災設備投資の金利負担を軽減
防災設備の特別償却(20%): 設備投資の税負担を初年度に前倒し軽減

記入のハードルは「BCPと聞くと大変そう」というイメージより低く、テンプレートに沿って5~8ページ書けば申請できます。特にものづくり補助金の申請を予定している経営者は、補助金申請と並行してジギョケイを取得することで、追加費用ゼロで採択率を底上げできます。

まずは自社の立地リスク(洪水ハザードマップ・土砂災害警戒区域など)を確認し、「最悪のシナリオ3つ」を想定するところから始めてみてください。

クラウドを活用したデータバックアップとBCP対策の組み合わせについては、姉妹サイトクラウドマスター.JPで詳しく解説しています。

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