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中小企業のクラウド型人事評価システム導入ガイド|目標管理・評価シートのExcel管理をやめて人事業務を月10時間削減する方法

人事評価の時期になるたびに、Excelシートの配布と回収に追われていませんか。中小企業では評価業務が担当者1人に集中しやすく、評価期間の前後2週間は他の業務が事実上ストップしてしまうことも珍しくありません。

この記事では、クラウド型人事評価システムの概要・主要ツールの比較・具体的な導入ステップ・費用の目安を、従業員10~100名規模の中小企業向けにわかりやすく解説します。IT担当者がいない会社でも実践できる内容です。

目次

クラウド型人事評価システムとは?

クラウド型人事評価システムとは、これまでExcelや紙で行っていた従業員の目標設定・自己評価・上長評価・結果集計をインターネット上で完結させるSaaS(クラウドサービス)です。

従来の評価業務のフローを振り返ってみましょう。

・自己評価シート(Excel)を全社員にメール送付
・記入済みシートをメールで回収 → 未回収者へ電話やチャットで催促
・上長の評価コメントを各シートへ個別転記
・全体集計 → 経営者への報告用に別Excelへ再入力
・最終評価を給与計算・賞与計算シートへ手動反映

このフローが半年ごとに繰り返されます。評価期間中は担当者が「評価管理専任」になりがちで、本来の経理・総務業務が後回しになってしまいます。

クラウド型人事評価システムを導入すると、評価の依頼送信・回収状況の確認・自動督促・集計がすべてシステム上で完結します。担当者はブラウザで進捗を確認するだけでよく、社員はスマートフォンからも評価入力が可能です。

導入のメリット(数字で見るROI)

業務 導入前 導入後
評価シートの配布・回収・督促 月3時間(メール+電話) 月0.3時間(自動リマインド)
評価データの集計・転記 月4時間(Excelへの手入力) 月0.5時間(自動集計)
過去評価の検索・参照 月1時間(複数ファイルをさかのぼる) 月0.2時間(システム内で即検索)
評価結果の給与反映確認 月2時間(照合作業) 月0.1時間(連携で自動反映)
合計 月10時間 月1.1時間

月10時間かかっていた手作業が約1時間程度に圧縮できます。年2回の評価サイクルで年間約18時間の業務時間が解放される計算です。

数字以外の効果として「評価コメントの記録が蓄積される」点も大きなメリットです。紙やExcel管理では過去の評価コメントを探すのに手間がかかりましたが、クラウド化後はシステム内で履歴を即確認できます。次回の面談の質が上がり、社員からの「評価の根拠が見えない」という不満も減少します。

主要クラウド型人事評価システム3選

執筆時点(2026年7月)の情報をもとに紹介します。料金・機能は変更される場合があるため、導入前に必ず各社の公式サイトで最新情報を確認してください。

1. カオナビ

タレントマネジメント分野で国内導入実績上位のプラットフォームです。目標管理(MBO)・コンピテンシー評価・360度評価など、多様な評価制度に対応したテンプレートが豊富です。評価データと人材情報(スキルマップ・異動履歴)を一元管理できるため、評価結果を人材配置に活かしやすい点が強みです。

向いている規模: 従業員30名以上
費用の目安: 従業員数・利用機能に応じて要見積もり(月数万円~)
特徴: タレントマネジメント機能が充実しており、評価から人材育成まで一気通貫で管理できる

2. HRBrain

目標管理(OKR・MBO)と人事評価に特化した操作性重視のSaaSです。管理画面がシンプルで、ITに不慣れな社員でも短時間で使い始められます。評価コメントのサジェスト機能など、入力の手間を下げる工夫が随所にあります。

向いている規模: 従業員10名~100名
費用の目安: プランにより変動・要問い合わせ
特徴: シンプルな操作性と導入スピードの速さが強み。まずクラウド評価を始めたい中小企業に向いている

3. ジョブカン人事評価

勤怠管理・経費精算ですでに「ジョブカン」を使っている企業にとって、最も導入ハードルが低い選択肢です。既存のジョブカンIDでログインできるため、社員側の負担が最小限で済みます。評価結果を勤怠・給与データと連携できる点も実務担当者に好評です。

向いている規模: 従業員10名~50名、特にジョブカン既存ユーザー
費用の目安: 1名あたり月数百円程度(他ジョブカン機能との組み合わせにより変動)
特徴: ジョブカンを利用中の会社なら追加設定のみで即導入可能

具体的な導入の進め方(4ステップ)

1. 現在の評価フローを棚卸しする

ツールを選ぶ前に、今の評価業務を書き出します。「誰が・何を・いつ・どうやって」評価しているかを一覧にすると、どの工程に時間がかかっているかが見えてきます。Excelのシート数、メールのやり取り回数、督促対応の手間などを具体的に洗い出しましょう。

業務の棚卸し方法については、中小企業の業務棚卸しの進め方も参考にしてください。

2. 評価制度の「型」を先に整理する

ツールの導入と同時に評価制度そのものを大幅に見直そうとすると、関係者の合意形成に時間がかかって導入が止まりがちです。まず「今の評価シートをそのままデジタル化する」ことを目標に設定し、制度の改善は次のフェーズで行うのが現実的です。

3. 無料トライアルで実際に1サイクルを試す

多くのクラウド型人事評価システムは1か月~2か月の無料トライアルを提供しています。担当者と社員代表数名が実際に操作し、「評価コメントを書きやすいか」「督促メールが届くか」「集計画面が見やすいか」を確認してから本契約に進みましょう。「眺めるだけ」のトライアルで終わらせず、依頼送信→入力→承認→集計の一通りを必ず試してください。

4. 特定グループから試験導入して全社展開する

いきなり全社員に展開すると、操作に不慣れな社員からの問い合わせ対応で担当者の負荷が一時的に急増します。まず特定の部署や役職層から始め、1回の評価サイクルを経てから全社展開するのが定着率を高めるコツです。

ツールを社内に定着させるためのノウハウは、DXツール定着化ガイドもあわせてご覧ください。

かかるコストと使える補助金

【コスト】規模別の費用感

ツール 費用の目安 従業員30名の概算
カオナビ 従業員数・プランにより要見積もり 年間数十万円程度(目安)
HRBrain プランにより要問い合わせ 年間数十万円程度(目安)
ジョブカン人事評価 1名あたり月数百円~ 年間10万円前後(目安)

※執筆時点(2026年7月)の概算です。正確な金額は各社に直接問い合わせてください。

【補助金】IT導入補助金の活用を検討する

クラウド型人事評価システムは、IT導入補助金(経済産業省)の対象ツールとなっている場合があります。2026年度の補助率は最大75%(類型・枠によって上限額が異なります)。ツールが補助金の登録ベンダー・登録ツールに該当するかを確認したうえで申請準備を進めてください。

IT導入補助金の申請手順については、IT導入補助金2025の申請ガイドで詳しく解説しています。

よくある失敗と回避策

失敗1: 評価制度の見直しとツール導入を同時に進めてしまう
ツールの機能に合わせて評価制度を全面改訂しようとすると、合意形成に半年以上かかって導入がストップするケースがあります。まず「今の制度をデジタル化する」だけに絞ることが重要です。

失敗2: 社員への事前説明が不足する
「なぜ変えるのか」「操作はどれくらい簡単か」を丁寧に伝えないと、社員側の抵抗感が高まります。導入前に10分程度の説明会を1回開くだけで、定着率が大きく変わります。

失敗3: スマートフォン対応を確認しないまま契約する
PCをほぼ使わない現場社員(飲食・小売・介護など)がいる場合、スマートフォンから評価入力できるかどうかは必須の確認項目です。トライアル中に実機で動作確認しましょう。

失敗4: 管理者だけが使いこなして現場社員が使わない
導入後に「結局Excelでも回せてしまう」という状況が続くと、ツールが形骸化します。評価フローをシステム経由に一本化し、Excelシートへの記入を明確に廃止する取り決めを社内で共有してください。

本記事のまとめ

クラウド型人事評価システムを導入することで、月10時間かかっていた評価業務の大半を自動化できます。

・評価シートの配布・回収・督促が自動化され、担当者の手作業が大幅に減る
・評価履歴がクラウドに蓄積され、過去データをいつでも参照できる
・スマートフォン対応で現場社員も入力しやすい環境が整う
・IT導入補助金の対象ツールであれば、導入費用を最大75%補助できる

ツール選びは「機能の多さ」ではなく「今の評価フローにどれだけ合うか」で判断するのが最大のポイントです。まず無料トライアルを使って、1サイクルの流れを試してみてください。

人事評価システムと合わせて、入退社・年末調整など労務管理全般のデジタル化をお考えの方はSmartHR導入ガイド、採用業務のデジタル化にはクラウド型採用管理(ATS)導入ガイドもあわせてご覧ください。

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