「社員がLINEで業務連絡してくる。でも記録が残らないし、個人のやり取りと混ざってしまって困る……」
従業員30人規模の企業でよく聞く悩みです。現場スタッフやパートタイムの方がいる職場では、PCよりスマホが主な連絡手段になりがちで、ビジネスチャットの導入を難しく感じることもあるでしょう。
そこで注目したいのがLINE WORKS(ラインワークス)です。誰もが知るLINEとほぼ同じ操作感で使えるビジネスチャットで、社員がLINEに慣れていれば研修時間をほぼゼロにできます。
この記事では、従業員10~100名規模の中小企業向けに、LINE WORKSの特徴・導入手順・コスト・よくある失敗についてわかりやすく解説します。
LINE WORKSとは?(経営者にわかる言葉で)
LINE WORKSは、LINEと同じ見た目・操作感で使えるビジネス向けチャットサービスです。メッセージのやり取りだけでなく、音声・ビデオ通話、ファイル共有、スケジュール管理、社内掲示板など、中小企業が日常業務で必要とする機能が一通り揃っています。
最大の特長は「普通のLINEユーザーともやり取りできる」点です。取引先や協力業者がLINE WORKSを使っていなくても、相手のLINEアカウント宛てにメッセージを送れます。外回り営業が取引先へ連絡する場面でも、社員に別のアプリを覚えさせる必要がありません。
また、スマホだけでなくPCのブラウザからも使えるため、デスクワークの社員と現場スタッフが同じツールで会話できるのも強みです。
| 比較項目 | 個人LINE | LINE WORKS |
|---|---|---|
| 管理者によるアカウント管理 | できない | できる(退職時に即削除可) |
| トーク履歴の管理 | 個人デバイスに依存 | 管理者が一括保持・監査可能 |
| グループチャットの人数上限 | 500名 | 5,000名(プランによる) |
| 社内掲示板・アンケート機能 | なし | あり(全社への一斉連絡が簡単) |
| 外部LINEユーザーとの連絡 | 可(私的混在リスクあり) | 可(業務専用として切り分けられる) |
導入のメリット(数字で示すROI)
LINE WORKSを導入した企業でよく見られる効果を、時間・コストの数字で示します。
・電話・メールの往復削減: 社員5名が1日3回×3分の確認電話をなくせると、月あたり約11時間の削減になります。
・情報伝達の抜け漏れ解消: 掲示板やグループチャットで一斉通知できるため、口頭連絡の伝言ゲームがなくなります。
・退職後のアカウント管理コスト削減: 管理者が一括でアカウント停止できるため、情報漏えいリスクを防ぐ作業工数が月平均2時間削減できます。
・スマホで完結する申請フロー: 休暇申請やシフト確認をトーク上で処理でき、紙やFAXの往復がなくなります。
| 業務シーン | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 現場スタッフへの連絡 | 電話・個人LINE(記録なし) | グループチャットで一括通知(履歴保持) |
| 休暇・シフト申請 | 紙の申請書 or 口頭 | トーク or アンケート機能で完結 |
| 全社向けお知らせ | メール送信・掲示板への貼り紙 | 掲示板に投稿し既読確認まで自動 |
| 退職時のアカウント停止 | 各サービスを個別に手動削除 | 管理者が1クリックで一括停止 |
上記の効果を合計すると、従業員30名規模の企業で月10時間前後の工数削減が見込めます。
具体的な進め方
1. プランを選んで登録する
LINE WORKSには無料のフリープランと有料プランがあります。まずフリープランで試し、業務に定着したらアップグレードするのが安全な進め方です。
・フリープラン: 0円・最大30名・基本チャット機能のみ。グループトーク履歴の保存期間に制限あり。
・スタンダードプラン: 1ユーザーあたり約540円/月(年払い)。掲示板・カレンダー・Drive機能が使えるようになり、履歴保存も無期限に近づく。
・アドバンストプラン: 1ユーザーあたり約960円/月(年払い)。監査ログ・セキュリティポリシー設定など、コンプライアンス要件が厳しい企業向け。
※ 料金は執筆時点(2026年5月)の目安です。最新情報はLINE WORKS公式サイトでご確認ください。
登録はLINE WORKS公式サイトからメールアドレスのみで完了します。法人格がなくても利用できるため、個人事業主・小規模企業でも手続きの手間がありません。
2. メンバーを招待する
管理者(最初に登録した人)が管理画面からメンバーを招待します。社員のスマホにLINE WORKSアプリをインストールしてもらうだけで使い始められます。
招待方法は2種類あります。
・メール招待: 社員のメールアドレスに招待リンクを送る。PCメインの社員向け。
・QRコード招待: 管理画面のQRコードをスキャンしてもらう。スマホしか持たない現場スタッフに最速。
アカウント作成後、既存のLINEアカウントと連携するかどうかを社員が個別に選べます。私的なLINEの連絡先には一切アクセスしないため、「会社に個人のLINEを見られる」という心配はありません。
3. 運用ルールを決めて社内展開する
ツールを入れるだけでは定着しません。事前に以下の3点を決めておくと、浸透が格段に早くなります。
・連絡はLINE WORKSに一本化する: 「業務の連絡は今日からLINE WORKSのみ」と宣言する。個人LINEでの業務連絡は原則NGにする。
・グループチャットの構成を事前設計する: 「全社」「店舗A」「経営陣」など目的別グループを最初に作る。後から作ると形骸化する。
・掲示板を週次ニュースに使う: 毎週月曜に経営者や管理職が1投稿する習慣をつけると、社員が定期的にアプリを開くようになる。
かかるコストと使える補助金
| プラン | 月額(税込目安) | 従業員30名の場合 | 向いている規模・用途 |
|---|---|---|---|
| フリー | 0円 | 0円/月 | 試験導入・30名以下の小規模チーム |
| スタンダード | 約594円/ユーザー(税込) | 約17,820円/月 | 全社展開・掲示板や履歴管理が必要な企業 |
| アドバンスト | 約1,056円/ユーザー(税込) | 約31,680円/月 | 監査ログ・セキュリティ要件が厳しい企業 |
※ 料金は執筆時点(2026年5月)の概算です(税込10%換算)。年払い割引が適用される場合があります。
LINE WORKSのサービス費用は、IT導入補助金2025(2類型)の対象ツールとして認定事業者が申請している場合があります。補助率は最大50%で、年間コストを大幅に圧縮できます。申請には認定IT導入支援事業者(ITベンダー)との契約が必要です。最新の公募状況は中小企業庁のIT導入補助金公式サイトでご確認ください。
よくある失敗と回避策
失敗①:フリープランで全社展開して30名の上限にひっかかる
フリープランは同時に使えるメンバーが30名までです。入退社で入れ替えながら運用しようとすると管理が煩雑になります。31名以上の企業は最初からスタンダードプランを選ぶのが無難です。
失敗②:個人LINEとの使い分けが曖昧なまま導入する
「どっちで連絡すればいいの?」と社員が迷い始めると定着しません。導入当日に「業務連絡はLINE WORKSのみ」とルールを宣言し、管理職が率先してLINE WORKSを使い始めることが大切です。
失敗③:既読・未読の確認を強要しすぎる
LINEと同様に既読機能があるため、「既読スルーは許さない」という雰囲気になることがあります。返信が必要なメッセージには「24時間以内に返信」など明確な基準を設けると、心理的な負担を減らせます。
失敗④:退職者アカウントをすぐに停止しない
退職後もアカウントが生きていると、過去のトーク履歴を閲覧できる状態が続きます。退職手続きの項目に「LINE WORKSアカウントの無効化」を加えてください。
本記事のまとめ
LINE WORKSは、LINEを使い慣れた社員やパートタイムスタッフがいる中小企業に特に向いているビジネスチャットです。導入のポイントを整理します。
・操作研修がほぼ不要: LINEと同じ操作感のため、ITが苦手な社員でもすぐ使い始められる。
・外部のLINEユーザーとも連絡可能: 取引先・協力業者との連絡も一元化できる。
・管理者機能で情報漏えいリスクを下げられる: 退職時のアカウント停止・履歴の保持が管理画面から操作できる。
・まずフリープランで試す: 30名以下ならコストゼロで始められる。
月10時間の削減効果が出ると、年間120時間=約3週分の工数が浮く計算です。「どのビジネスチャットを選ぶべきか迷っている」という企業は、まずLINE WORKSのフリープランから試してみることをおすすめします。
AI活用による業務効率化については、姉妹サイトAIマスター.JPで詳しく解説しています。
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