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中小企業の注文書・発注書ペーパーレス化ガイド|電子発注で取引先との書類往来を月12時間削減する方法

発注のたびに注文書をWordで作成し、PDFに変換してメール添付、取引先から「届いているか確認したくて」という電話がかかってくる——。そんな書類のやり取りに、毎月どれだけの時間をかけているでしょうか。

注文書・発注書のペーパーレス化は、見積書や請求書の電子化に比べて後回しにされがちです。しかし取引先との往来書類の中でも発生頻度が高く、自動化による時間削減効果が大きい領域です。

この記事では、従業員10~100名の中小企業が注文書・発注書をペーパーレス化する方法を、ツール選びから取引先への働きかけまでステップバイステップで解説します。

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注文書・発注書のペーパーレス化とは?

注文書・発注書のペーパーレス化とは、紙やWordで作成していた発注書類をデジタルデータとして作成・承認・送付・保管するしくみに切り替えることです。

「メールで送るだけ」は半分正解ですが、それだけではファイルがメールボックスに埋もれ、後から「あの発注書はどこ?」と探し回る手間が残ります。本来のペーパーレス化では、次の4工程をすべてデジタルで完結させることが目標です。

作成: テンプレートに品番・数量・単価を入力するだけで発注書を自動生成
承認: 上長へチャットまたはメールで送付し、承認記録を電子的に残す
送付: PDFまたは専用ポータルで取引先へ即時送信
保存・検索: クラウドに自動保管し、取引先名・品番・日付で即座に検索

導入前後での業務の変化を比較すると、次の表のようになります。

工程 導入前(紙・Word運用) 導入後(電子化)
発注書作成 Word編集→印刷→押印→スキャン(約20分) テンプレ入力→PDF自動生成(約3分)
承認 上長のデスクへ持参→不在で翌日以降に持ち越し チャット・メール承認→当日完了
送付 FAXまたはPDF添付メール(都度確認電話あり) クリック1回で送信・開封通知を確認
保管・検索 紙ファイル整理(月1時間以上) クラウド自動保存→キーワード検索で即ヒット

導入メリット:数字で見るROI

取引先への発注が月50件ある企業を例に、時間削減効果を試算します。

発注書作成: 20分→3分で1件あたり17分削減 × 50件 = 月850分(約14時間)削減
確認電話対応: 平均5分 × 月20件 = 月100分(約1.7時間)削減
ファイリング・検索: 月1時間以上のファイル整理をほぼゼロ化

合計で月12時間以上の削減が見込めます。時給2,500円換算で年間36万円相当の人件費削減です。印刷用紙・トナー代・郵送費の削減(年3万円~8万円)も加わると、コスト効果はさらに大きくなります。

具体的な進め方

1. 現状の発注フローを洗い出す

まず「誰が・何件・どんな書類を・どうやって送っているか」を1週間記録します。よくある発見は、担当者によって送付方法がバラバラ(FAX・メール・手渡しが混在)という状況です。この棚卸しをせずに電子化を進めると、後から「あの書類は電子化されていなかった」という抜けが生じます。

2. ツールを選ぶ

発注書のペーパーレス化に使えるツールは大きく3タイプあります。

タイプ 代表ツール 月額目安(10名) 向いている企業
クラウド請求書・発注書サービス Misoca、freee会計 3,000円~1万円 請求書管理と一体で使いたい
ノーコードデータベース kintone、Notion 5,500円~1万8,000円 承認ワークフローを含め自社仕様で設計したい
Googleフォーム+スプレッドシート Google Workspace 6,800円(680円×10名) 最小コストで試してみたい

※月額は執筆時点(2026年6月)の税込目安。ユーザー数・プランにより変動します。

まずはGoogleフォームで発注依頼を受け付けてスプレッドシートに集計する方法が、低コストで始めやすいです。月100件を超えてきたら専用の発注書クラウドサービスへの移行を検討しましょう。

取引先から届く紙の注文書をデジタル取込したい場合は、AI-OCR(紙書類を自動でテキスト化するツール)との組み合わせも有効です。AI活用による業務効率化については、姉妹サイトAIマスター.JPでも解説しています。

3. 取引先を巻き込む

最大の障壁は「取引先がFAXしか受け付けない」というケースです。対処法は2段階で進めます。

第1段階: PDF添付メールへ切り替えてもらう(「FAXより確実に届く・再送が楽」という安心感を前面に出す)
第2段階: 慣れてきたら発注ポータルURLへの切り替えを提案する

「電子化を押しつける」のではなく「取引先にとっても検索・管理が楽になる」メリットを伝えることがポイントです。1カ月の移行期間を設け、新旧方式の二重運用期間を短く終わらせましょう。

かかるコストと使える補助金

ツール・方法 初期費用 月額ランニング(10名)
Google Workspace(Googleフォーム+スプレッドシート) 0円 6,800円
Misoca(ライトプラン) 0円 2,728円
kintone(スタンダード) 0円 18,000円

※2026年6月時点の税込目安。

IT導入補助金(2026年度)のデジタル化基盤導入類型では、クラウド会計・請求書管理ツールが補助対象となる場合があります。発注書管理機能が補助対象に含まれるかはツールの登録状況によって異なりますので、申請前に認定IT事業者へ確認してください。

よくある失敗と回避策

失敗1: 「電子化=メール添付」で終わり
 ファイルがメールに埋もれ、結局紙で出し直す羽目になります。クラウド保管と検索機能を必ずセットで用意してください。

失敗2: 承認フローを電子化し忘れる
 発注書はクラウドで作成するのに、承認は紙の回覧のまま、という「半ペーパーレス」で止まるケースが多いです。承認プロセスもデジタル化してこそ効果が出ます。

失敗3: 取引先に突然切り替えを通知する
 「今月からFAXを廃止します」と一方的に伝えると関係が悪化します。1カ月前から「移行のメリット」を説明し、移行期間中は旧方式と新方式の両対応を続けましょう。

本記事のまとめ

注文書・発注書のペーパーレス化は、月12時間以上の業務削減と年間36万円相当のコスト削減を実現できる取り組みです。

・現状の発注フローを棚卸しして書類の流れを把握する
・低コストなGoogle Workspace活用から試して、規模に応じてツールを切り替える
・取引先には「双方のメリット」を説明し、段階的に移行する
・承認フローも必ずセットでデジタル化する

まず1カ月間、社内の発注書送付ルールを「メール統一」に揃えるところから始めてみてください。小さな一歩が、毎月の書類作業を大幅に減らす入口になります。

発注書のペーパーレス化、どこから手をつければいいか迷っていませんか?

取引先との書類往来を減らして、総務・経理の時間を本来の業務に使いたい方へ。
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