「ホームページを作りたいけど、30万円も出せない」「チラシを刷る予算がない」——小規模な会社では、こうした販路開拓の費用がDX推進の壁になりがちです。
小規模事業者持続化補助金を使えば、ホームページ制作やITツール導入にかかる費用の2/3(最大200万円)を補助してもらえます。
この記事では、小規模事業者持続化補助金の仕組みと申請手順を、従業員20名以下の企業向けにわかりやすく解説します。
対象となる経費の具体例から、採択されやすい計画書の書き方までカバーします。

小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金(通称: 持続化補助金)は、従業員数の少ない企業が販路開拓や業務効率化に取り組む際に、国がその費用の一部を補助する制度です。
日本商工会議所と全国商工会連合会が事務局となり、年に複数回の公募が実施されています。
対象となるのは以下の「小規模事業者」です。
| 業種 | 従業員数の上限 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| 製造業・宿泊業・娯楽業・その他 | 20人以下 |
(※ 上記は執筆時点(2026年4月)の一般的な要件です。最新の公募要領で必ずご確認ください。)
DXに使える補助対象と金額
持続化補助金は「販路開拓」が主目的ですが、業務効率化の経費も対象に含まれます。
中小企業のDXに直結する使い方として、以下のような経費が認められています。
・ウェブサイト関連費: ホームページの新規作成、ECサイトの構築、予約システムの導入
・広報費: チラシ・パンフレット・看板の制作、ネット広告の出稿
・機械装置等費: POSレジ、タブレット端末、業務用ソフトウェアの購入
・委託・外注費: 業務システムの開発委託、コンサルティング費用
ただし、ウェブサイト関連費だけで申請することはできません。ウェブサイト関連費は補助金交付額の1/4が上限とされています。
| 申請枠 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 50万円 | 2/3 |
| 賃金引上げ枠 | 200万円 | 2/3 |
| 卒業枠 | 200万円 | 2/3 |
| 後継者支援枠 | 200万円 | 2/3 |
| 創業枠 | 200万円 | 2/3 |
(※ 各枠の要件・補助額は執筆時点(2026年4月)の情報です。公募回により変更される場合があります。)
たとえば通常枠でチラシ制作(15万円)とタブレット端末(30万円)、ホームページ制作(30万円)の合計75万円を申請した場合、補助額は50万円(上限)となり、自己負担は25万円で済みます。

申請の流れ(ステップバイステップ)
1. 地元の商工会議所・商工会に相談する
持続化補助金は、地域の商工会議所または商工会の支援を受けて申請する仕組みです。
会員でなくても相談・申請は可能ですので、まずは最寄りの窓口に連絡しましょう。
経営計画書の書き方や対象経費の確認など、無料でアドバイスを受けられます。
2. 経営計画書・補助事業計画書を作成する
申請書類の中核は「経営計画書」と「補助事業計画書」の2つです。
・経営計画書: 自社の強み・市場環境・経営方針を整理する(A4で2〜3枚が目安)
・補助事業計画書: 補助金で何をするか、なぜ売上向上につながるかを具体的に書く
採択される計画書のポイントは「数字の具体性」です。
「ホームページで集客する」ではなく「月間500アクセスを目標に、月3件の問い合わせを獲得し、年間売上を120万円増やす」と書くことで説得力が上がります。
3. 商工会議所で事業支援計画書の発行を受ける
作成した計画書を商工会議所に提出し、「事業支援計画書(様式4)」の発行を受けます。
発行には1〜2週間かかるため、締切の1か月前には相談を始めておくのが安全です。
4. 電子申請または郵送で提出する
電子申請の場合はGビズIDプライムが必要です。
取得に2〜3週間かかるため、初めて申請する方は早めにGビズIDポータルサイトで手続きしておきましょう。
よくある失敗と回避策
持続化補助金の採択率は公募回によって変動しますが、おおむね50〜60%程度です。
不採択になる典型的なパターンを押さえておきましょう。
・「販路開拓」の説明が弱い: 業務効率化だけの計画は採択されにくい。「効率化した時間で営業活動を増やす」のように、売上につなげるストーリーが必要
・市場分析が不十分: 「誰に」「何を」「どう届けるか」が曖昧だと評点が下がる。ターゲット顧客の具体像を書く
・見積書の不備: 対象経費には2社以上の相見積もりが必要な場合がある。事前に複数社から見積もりを取っておく
・交付決定前に発注してしまう: IT導入補助金やものづくり補助金と同様、交付決定の通知を受ける前に契約・支払いをした費用は補助対象外になる

本記事のまとめ
小規模事業者持続化補助金のポイントをまとめます。
・従業員20人以下の企業が対象: サービス業は5人以下が条件
・補助率2/3、上限50万円〜200万円: 特別枠を使えば最大200万円まで補助を受けられる
・ホームページ・広告・ITツールが対象: ただしウェブサイト関連費のみの申請は不可
・商工会議所の支援が必須: 会員でなくても無料で相談・申請できる
・計画書は数字で語る: 「月○件の受注」「年間○万円の売上増」のように具体化する
「IT導入補助金は対象ツールが決まっていて自社に合わない」「ものづくり補助金は規模が大きすぎる」——そんな小規模企業にとって、持続化補助金は最も手軽に使える制度です。
まずは地元の商工会議所に電話で相談してみてください。
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