output中小企業のSaaS費用最適化ガイド|無駄なサブスクを見直して年間30万円を削減する方法

Dx Basics

「クラウドサービスの月額費用、把握できていますか?」

DXを進めるなかで、SaaS(クラウド型のサブスクリプションサービス)の契約が少しずつ増え、いつの間にか毎月の支出がどこに消えているかわからなくなっている。そんな中小企業は珍しくありません。

この記事では、SaaSの費用を可視化して無駄を削減する実践手順を、従業員10〜100名規模の企業向けにわかりやすく解説します。適切に管理するだけで、年間30万円以上のコスト削減を実現した事例もあります。

output中小企業のSaaS費用最適化ガイド|無駄なサブスクを見直して年間30万円を削減する方法

SaaSとは何か——月額課金で使うクラウドサービスのこと

SaaS(Software as a Service)とは、インストール不要でブラウザから利用できるクラウド型ソフトウェアのことです。

身近な例で言うと、Google Workspace(GmailやGoogleドライブ)、Microsoft 365(WordやExcel)、freee(クラウド会計)、Chatwork(ビジネスチャット)などがすべてSaaSです。従来は高額な初期費用が必要だったソフトウェアが、月額数百〜数千円のサブスクリプションで使えるようになりました。

ただし、サービスの数が増えると管理が追いつかなくなります。「誰が契約したかわからない」「使っていないのに課金が続いている」という状況は、多くの中小企業が直面している課題です。

中小企業のSaaS費用が膨らむ3つの理由

どうしてSaaS費用がコントロールできなくなるのでしょうか。よく見られる原因が3つあります。

各部署が個別に契約している: 経理がfreeeを、営業がSansanを、総務がSmartHRを——それぞれが自分の業務に合ったツールを独自に導入した結果、全体像が見えなくなる
無料トライアルが本契約に切り替わっている: 試しに使い始めたサービスがそのまま継続課金になっているケースは非常に多い
担当者が退職した後もそのまま契約が続いている: 利用者がいなくなったにもかかわらず、解約手続きを忘れている

実際、従業員20〜30名規模の企業で月額のSaaS費用を棚卸しすると、10〜15万円程度になっていることは珍しくありません。そのうち2〜3割(月額2〜4万円)が実質的に使われていない「幽霊サブスク」であるケースが多く見られます。

SaaS費用を削減するための4ステップ

1. 現在使用中のSaaSを全て洗い出す

まず、社内で契約しているSaaSを一覧にします。確認すべき場所は次の通りです。

法人クレジットカード明細: 会社経費で使っているカードの明細を直近3カ月分確認する
銀行口座の引き落とし履歴: 口座振替になっているサービスを洗い出す
IT担当者・各部署への確認: 部署単位でどんなツールを使っているかヒアリングする

この作業だけで「知らなかったサービスが3〜5個見つかる」ことが多く、費用削減の糸口になります。1時間もあれば一覧を作れます。

2. 利用状況を確認して不要なものを特定する

一覧ができたら、各サービスについて「今も使っているか」「誰が使っているか」を確認します。判断の目安は以下の通りです。

状況 対応方針
誰も使っていない 即解約
1〜2人しか使っていない 無料プランへのダウングレードを検討
別のツールで代替できる 重複を統合して片方を解約
契約ユーザー数が実態より多い ライセンス数を実際の利用人数に合わせる

3. プランを最適化する

解約まではしないが、費用を下げられるケースもあります。

年払いへの切り替え: 多くのSaaSは月払いより年払いの方が15〜20%安い。継続利用が確実なサービスは年払いに変更するだけで節約できる
ライセンス数の見直し: 30人契約しているが実際に使っているのは20人、というケースは非常に多い。管理画面から実際のログイン頻度を確認して人数を減らす
プランのダウングレード: 使っていない高機能プランから基本プランに変更する

4. 社内ルールを整備して重複導入を防ぐ

棚卸しが終わったら、同じことを繰り返さないためのルールを作ります。難しく考える必要はありません。

SaaS契約は総務(または経営者)の承認を必須にする
契約一覧台帳をGoogleスプレッドシートで管理する(契約日・担当者・月額費用・更新日を記録)
年に1回、棚卸しの月を決めて定期的に見直す

この仕組みができると、SaaS費用の年間増加率を数パーセント以内に抑えることができます。

SaaS管理ツールを使うとさらに効率的

社内のSaaSが10種類以上になってきたら、専用の管理ツールの導入も選択肢に入ります。

ツール名 特徴 月額(税込・執筆時点2026年5月)
ジョーシス(Josys) SaaS・デバイスの一元管理。無料プランあり 無料〜(有料は要問い合わせ)
マネーフォワード クラウド経費 経費精算と連携してSaaS費用を自動集計 ¥2,980〜(5ユーザーまで)
Googleスプレッドシート 無料・シンプル・導入の手間ゼロ 無料(Google Workspace内)

ただし、従業員30人以下の場合は、専用ツールを導入するコストより、Googleスプレッドシートで管理する方が現実的なことが多いです。まずはシンプルな台帳管理から始めることをお勧めします。

費用削減の目安(従業員規模別)

従業員規模 棚卸し前の月額SaaS費用の目安 削減見込み 年間削減額の目安
10〜20名 5〜10万円/月 20〜30%削減 12〜36万円
20〜50名 10〜25万円/月 15〜25%削減 18〜75万円
50〜100名 25〜60万円/月 10〜20%削減 30〜144万円

これはあくまで目安ですが、棚卸しをきちんと行えば年間30万円以上の削減は多くの中小企業で実現可能です。

よくある失敗と回避策

「とりあえず全部解約」で業務が止まる: 利用状況を確認せずに解約すると、実は使っていた担当者が困る。必ず関係者に確認してから解約する
解約手続きが面倒で後回しにする: SaaSの解約は「管理画面からクリック1回」で完了するものがほとんど。後回しにするほど損。月次の経費確認と同じ日にまとめて行う習慣をつけると効果的
棚卸しが1回で終わる: SaaSは増え続けるもの。年1回の定期レビューを仕組みとして組み込まないと、また同じ状態に戻る

本記事のまとめ

中小企業のSaaS費用を最適化する手順をまとめます。

ステップ1: カード明細・口座・部署ヒアリングで現在契約中のSaaSを全て洗い出す
ステップ2: 利用状況を確認し「未使用・重複・ライセンス過多」を特定する
ステップ3: 解約・ダウングレード・年払い切り替えでコストを最適化する
ステップ4: 承認ルールと台帳管理で重複導入を防ぐ仕組みをつくる

取り組みの手順自体はシンプルです。まず1時間で台帳を作るところから始めてみてください。

SaaS費用の管理、どこから手をつければよいか迷っていませんか?

「棚卸しはしたいけど、何から始めたらいいかわからない」という声をよく聞きます。
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