「今の業務、自動化できないかな」と思いながらも、ツール選びで迷っていませんか。
Zapier(ザピアー)は有名だけれどコストが高い——そんな声をよく耳にします。
この記事では、Zapierの代替として急速に普及しているMake(メイク、旧称: Integromat)について、従業員10〜100名規模の中小企業向けにわかりやすく解説します。
コスト比較・導入手順・実際の活用例まで、経営者がひとりで判断できる情報をまとめました。

Makeとは?(経営者にわかる言葉で)
Makeは、バラバラに使っているクラウドサービスを「自動でつなぐ」ツールです。
プログラミングなしで、Googleフォームの回答をスプレッドシートに記録する、注文が入ったらSlackに通知する、といった自動連携を設定できます。
RPA(定型業務の自動化ツール)の一種で、ノーコード(プログラミング不要)で使えるのが最大の特徴です。
操作画面は「ブロックを矢印でつなぐ」視覚的なUIで、ITが得意でない担当者でも直感的に操作できます。
元々は「Integromat(インテグロマット)」という名称でしたが、2022年に「Make」にリブランドされました。
日本語対応も進んでおり、国内でも導入する中小企業が増えています。
ZapierとMakeの比較——どちらを選ぶべきか
「Zapierは知っているけれど、Makeとどう違うの?」という方向けに、両者を比較します。
| 項目 | Make | Zapier |
|---|---|---|
| 無料プラン | 月1,000オペレーション | 月100タスク(5Zap) |
| 有料プランの最安値 | 約¥1,100/月(Coreプラン) | 約¥2,400/月(Starterプラン) |
| 対応アプリ数 | 1,800以上 | 7,000以上 |
| 操作の難易度 | 中級(視覚的だが設定項目が多い) | 初級(シンプルで設定が少ない) |
| 複雑な条件分岐 | ◎(標準機能で対応) | △(上位プランが必要) |
※料金は2026年4月執筆時点の目安です。為替により変動します。
選び方の基準:
・コストを優先したい: Makeを選ぶ(有料プランがZapierの約半額)
・とにかく簡単に始めたい: Zapierを選ぶ(設定項目が少なく迷いにくい)
・複雑な条件分岐が必要: Makeの方が柔軟性が高い
・連携したいアプリがある: 事前に両サービスのアプリ一覧で対応を確認する
Makeを使って削減できる業務時間
中小企業でよく使われる自動化の例と、削減効果の目安を示します。
| 自動化の例 | 従来の作業 | 削減できる時間(月) |
|---|---|---|
| 問い合わせフォーム→スプレッドシートに自動記録 | 手動コピペ・集計 | 月5〜8時間 |
| 受注通知→担当者へのSlack/Teams通知 | メール確認・転送・口頭共有 | 月3〜5時間 |
| Googleカレンダーのリマインド→LINE自動送信 | 手動でリマインド連絡 | 月2〜4時間 |
| 請求書PDF→Googleドライブに自動保存・命名 | ファイルの手動整理 | 月3〜6時間 |
複数の自動化を組み合わせると、月13〜23時間の削減も現実的な数字です。
従業員の時給が2,000円だとすると、年間で30〜55万円のコスト削減効果に相当します。
Makeの具体的な始め方
1. 無料アカウントを作成する
Make公式サイト(make.com)からメールアドレスで登録できます。
クレジットカードの登録不要で、すぐに使い始められます。
無料プランは月1,000オペレーション(操作回数)まで使えるため、試験導入に十分な容量です。
2. 「シナリオ」を1つ作成する
Makeでは、自動化の設定を「シナリオ」と呼びます。
画面上でブロック(モジュール)を追加し、矢印でつなぐだけで自動化を設定できます。
初めての方には「テンプレート」の活用を推奨します。
よく使われる自動化パターンが数百件用意されており、設定を最小限に抑えながら動かせます。
「Gmail to Google Sheets」「Typeform to Slack」といった定番パターンはテンプレートを選ぶだけで設定が完了します。
3. 1業務を完成させてから拡張する
「全部の業務を一度に自動化しよう」とするのは失敗の原因です。
まず1つの小さな業務——たとえば「問い合わせフォームの回答をスプレッドシートに転記する」——だけを完成させ、1〜2週間運用して問題がないことを確認してから次へ進む方法が成功率を高めます。
【コスト】料金プランと費用対効果の目安
| プラン | 月額(目安) | オペレーション数 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| Free | ¥0 | 1,000回/月 | 試験導入、月数本のシンプルな自動化 |
| Core | 約¥1,100/月 | 10,000回/月 | 5〜10本の自動化、中規模業務 |
| Pro | 約¥3,300/月 | 100,000回/月 | 本格運用、複数部署での活用 |
※2026年4月執筆時点の目安。為替により変動します。
Coreプランの月約1,100円で月10〜20時間の業務を削減できれば、費用対効果は非常に高いと言えます。
【補助金】IT導入補助金との併用について:
Makeのような業務自動化ツールは、IT導入補助金2025の対象ツールリストへの掲載状況が年度・公募回ごとに変わります。
コンサルティング費用とセットで申請できる場合もありますが、申請を検討する場合は認定IT導入支援事業者に相談することを推奨します。
※補助金情報は2026年度公募の状況に応じて変わります。申請前に最新情報を必ず確認してください。
よくある失敗と回避策
失敗1: 複雑なシナリオから始める
条件分岐が多いシナリオは設定ミスが起きやすく、初めての方には挫折の原因になります。
→ 回避策: 「AをBに転記する」だけのシンプルなシナリオを1本完成させてから次へ進む。
失敗2: 担当者が1人しかいない
担当者が退職・異動すると、誰も管理できなくなります。
→ 回避策: 最低2人がログインと操作方法を把握しておく。シナリオには説明文(メモ)を必ず書く。
失敗3: エラーに気づかない
自動化が途中で止まっていても、しばらく誰も気づかないケースがあります。
→ 回避策: Makeのエラー通知メールを有効にし、週1回はシナリオの実行ログを確認する運用ルールを作る。
失敗4: 使いたいアプリが非対応だった
導入してから「このアプリはMakeに対応していない」と判明するケースがあります。
→ 回避策: 導入前に公式サイトのアプリ一覧(Integrations)で対応を確認する。
AI活用による業務自動化については、姉妹サイトAIマスター.JPでも関連情報を掲載しています。
本記事のまとめ
・Makeとは: ノーコードでアプリ間を自動連携するツール(RPA)。プログラミング不要。
・コスト: 無料プランあり、有料は月約1,100円〜。Zapierの約半額で同等機能を使える。
・削減効果: 複数の自動化を組み合わせれば月13〜23時間の業務削減が現実的。
・始め方: 無料アカウントを作成し、テンプレートを使って1業務だけ自動化する。
・注意点: 複数人での管理体制とエラー監視の仕組みを最初から作ること。
「まず試してみたい」という方は、無料プランでGoogleフォームとスプレッドシートの連携から始めることを推奨します。
慣れてきたら対象業務を広げ、月10時間以上の削減を目指してみてください。
業務自動化、どこから手をつければいいか迷っていませんか?
Makeのような自動化ツールは「最初の1本」を動かすまでが最も難しいステップです。
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